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乾布摩擦で風邪をひかなくなる?―皮膚と脳を鍛える昔ながらの知恵―

皆様、真冬に乾布摩擦をした経験ありますか?

 

今は残念なことに、寒い冬に虐待だとか、子どもを裸にするのは抵抗があるなどの理由で、そのような光景は見られなくなりました。

 

私が幼いころには「かんぷうまさつで、いち、にの、さん♪」と歌いながら、みんなでゴシゴシはしゃぐ、そんな楽しい記憶が残っております。

 

上のように歌いながら寒空の下でしたので「寒風摩擦」と勘違いしておりましたが、正しくは乾いた布で施す「乾布摩擦」です(笑

 

乾布摩擦で免疫を上げるという効果に科学的根拠がないと否定される方もいらっしゃるようですが、本当にそうでしょうか。

 

最近の研究結果から「皮膚は第3の脳」と謳われるように、感じるだけが皮膚の仕事ではないことが判明しております。

 

赤ちゃんがおなかのなかで成長するにあたり、受精卵が細胞分裂をしてはじめにできるのはなんと皮膚からだそうです。その人間の皮膚は一番外側の「外胚葉」から派生したもので、脳もまた「外胚葉」から派生したものであることから、皮膚と脳はルーツが同じであり、皮膚と脳は密接に繋がっていることを示した「皮脳同根(ひのうどうこん)」という言葉があります。

子どもがころんで擦りむいたときに母親が「痛いのいたいのとんでいけー!」と手を当てるとすっと泣き止む。

これはうちの息子にとても効果てきめんで、痛くなくなったーと本当にスッと泣き止みます。

プラシーボ効果、子供だましとも受け取られがちですが、頭痛や腹痛を伴ったときに思わず手をあてがったり、母親からの手のぬくもりで安心した記憶はあるはずです。

病気やけがの処置をする「手当(てあて)」とはここから来た素晴らしい言葉です。

 

私は鍼・灸治療に絶大な信頼を置いています。
西洋医学でどうしても痛みがとれなかったぎっくり腰を4日で、また感じたことのなかった腹痛を治療後瞬時に治していただいた経験があるからです。

皮膚とつながるツボ(語源はラテン語のターボ:turbo)を刺激しただけでなぜこのような改善がみられるのか、なぜ鍼治療をするだけで姿勢がよくなるのか、悪いところだけを診て取り除いて治すという西洋医学分野では想起できない事象ですが、鍼治療での改善実例は私だけではなく他の症例でも多々あります。

 

 

また、肌に施すお化粧も心理医療のひとつと捉えられております。
メイクの力ですべての女性を元気にするかづきれいこさんのリハビリメイクが物語るように、化粧をすることで、外出が億劫でなくなる、人と会って明るく過ごせる、発語回数が増えるなどのサイクルがつながり抑うつ傾向に改善がみられる結果がきちんと出ています。日本の伝統的な歌舞伎のド派手な化粧も、自分が演じる人物そのものの魂と同化していく大切な儀式であり、歌舞伎を演じる上で大切なプロセスです。
最近息子の送迎のみの外出でサボりがちなお化粧ですが、怠けた分老けた気が・・・
お肌のケアや化粧を怠ることでそう感じる女性も少なくないはず(焦

 

 

また、オーケストラの生演奏を聴くと鳥肌が立つことがあります。
これは管弦楽器から発せられた耳では聞き取れない超音波、超低周波音を皮膚が感じとっているからなのだそうです。CDであの迫力が得られないのは、小さなディスクに音域が入りきらないため、可聴周波数帯域のみ納められているからとのこと。

 

温かい人、冷たい人、肌が合う合わないなど、五感だけではない感覚を皮膚で受け取れる表現として表す言葉が多いのも、目には見えない感情のアンテナが皮膚にあるのではないのでしょうか。

 

乾布摩擦はまさに皮膚への刺激による心身のケアや感受性を高める昔ながらの知恵だったのだと思います。

東洋医学では「皮膚は肺に通ず」と言われてきました。「風邪をひきにくくする」という名目で行っていたのもその所以です。最近のエビデンスでは体を覆う皮膚への様々な刺激が、脳にプラス効果を及ぼすことまでが判明しているのですから、毎日簡単に行える乾布摩擦で免疫を上げることもきっとできるはずです。

 


実際にタオル生地で乾布摩擦をすると肌によさそうですが赤剥けしてしまいます。
せっかくの乾布摩擦も皮膚を傷めてしまっては元も子もありません。
質のいい麻、木綿、シルクの昔ながらの手ぬぐいはとても皮膚に良いです。
体温も上がり、ぽかぽかしてきます。

 

オミクロン株が席巻しておりますが、風邪の季節問わず、
乾布摩擦で心身を鍛え、皮膚から受け取れる感性を豊かに健康に過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

 

ヘンプシルク 乾布摩擦用 手ぬぐい (90×30cm)
ヘンプとシルクの極上素材で乾布摩擦用の手ぬぐい作りました。
ツイル織りで、表面にシルク(生糸使用)、裏面にヘンプが多く現れる2面の表情をもっています。

両面乾布摩擦に使えます。ご自身に合う面でぜひ実施してみてください。
ヘンプが含まれることで、シルク100%の生地に比べても、丈夫で耐洗濯性も向上し長持ちします。表面に滑るような光沢のある美しいヘンプシルクの生地で肌への摩擦が少なく、生地面がとてもなめらかで大変貴重な素材です。数に限りがありますので何卒ご了承ください。

 

私はこの生地で子どもの幼稚園用マラソンタオルを作りました。

速乾性、保温性、抗菌性、消臭にも優れているため、

本人も快適にマラソンしているようです。

アトピーや痒みのあるお子様にもぜひ。

 

参考書籍

傳田光洋『第三の脳――皮膚から考える命、こころ、世界』 2007年

国産天然素材のお洋服 | CHORTLE

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”着た人の人生を変えられる服”をコンセプトに、機能性がありながらモダンで柔らかな風合いのお洋服をヘンプ、シルク、コットン、リネンなど自然由来の優しい生地のみでお仕立てします。既製品では物足りない方に人気の高い、大量生産品では味わえない感動をお届けするオーダーメイドのご相談も受け付けております。

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