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なぜシルクが愛されるのか?①―仁徳天皇から読み解く絹織物の系譜ー

   

蚕の繭からとれる動物性天然繊維のシルク。

高級パジャマや下着、ゴージャスなドレス、また着物の代表的な素材としても使用されております。

 

 

 

シルクの歴史について

 

「シルクロード」とは、その名の通り美しいシルクに魅せられた商人たちが交易品として中国より世界に広がっていった「絹の道」であり、ここから文化や宗教、経済までも発展していったといわれています。

 

日本に広く伝搬したのは、なんと16代仁徳天皇の時代(4~5世紀大和朝廷:古墳時代、約1,700年前)ということが明らかになっております。

 

 

仁徳天皇は大坂堺市にある巨大な前方後円墳で祀られております。「民の竈の煙」で有名であるとおり、災害で苦しんでいた民へ6年間の課税免除と、干拓、水害対策の堤防工事、貯水池などの大規模公共工事を実施し、現堺市一帯に広大な水田を開きます。

 

それから朝廷の米蔵では大量に米が備蓄できるようになり、民も肥え、倭国全体が豊かになり、狩猟採集中心であった諸外国にも噂は伝わりました。

 

仁徳天皇の大規模公共工事により東亜の超大国となった倭国は、

呉や百済、新羅から仁徳天皇のもとに朝貢があったことも日本書紀では明記されております。

 

この呉からの貢物こそ!であり、それにより養蚕・製糸・染色などの技法も広く伝えられ

絹織物が大発展していった歴史があります。

 

余談ですが、

 

民衆を想い寄り添った仁徳天皇の御陵は、大規模工事による残土によって丁寧に盛土が行われ、

周囲には水田に水害が起きないようにつくられた巨大なお濠が彫られてあります。

前方後円墳の形は米で国を豊かにした功績に伴った

「アラビア地方で大切にされるお米の壺:マナの壺」型となっているという説もあります。

 

      ↑マナの壺

 

この古墳は、2019年に世界文化遺産として登録されましたが、教科書ではもう仁徳天皇の陵墓と紹介されていなかったり、GHQも視察に入ったとか、立ち入り禁止で発掘が進んでない、中にはかなりオカルトチックな話もチラホラありますが・・・

 

信じるか信じないかはあなた次第! 

 

思想は自由です。でも隠された事実があるのはなんとなく伺えます。

 

されど絹の歴史はそれほどまで深く、また現在に至るまで「聖帝(ひじりのみかど)」と崇められる仁徳天皇が一代で築かれたご功績であったと顧みることができますので、本当に尊い織物だといえます。

 

天皇即位の秘儀、大嘗祭で欠かせない祭祀具は、麁服(あらたえ) と繪服(にぎたえ)と以前にもブログ「ヘンプ麻ってナニ?―大麻のはなしー」でご紹介しましたが、絹織物である繪服は、麻とともに神聖な布として取り扱われます。

 

7世紀後半天武天皇即位から続く伝統的重要な儀式であることから、

仁徳天皇の功績により発展した絹織物はそれほど大切にされてきた

意味のある織物だと理解できます。

 

 

富岡製糸場で世界的に発展

時代を超え、こちらも世界遺産に登録された富岡製糸場は絹産業で発展したことを知る方も多いと思います。

富岡製糸場は日本の製糸業の発展や技術面の貢献にとどまらず、

近代的な工場制度を日本にもたらしたことも忘れてはならない事実です。

 

「富岡製糸工場は技術改良の拠点となり、

20 世紀初頭の世界の生糸市場における日本の役割を証するモデルとなった。

このことは、世界的に共有される養蚕法が、早い時期に現れたことの証拠となった」

と文化庁で翻訳されております。

 

 

日本のシルクのいま

 

化学繊維に比重がおかれた戦後は衰退し、

いまではほとんどが中国から低価格で輸入されたものとなってしまいました。

日本で伝統的に作られる絹織物もありますが、大変効果です。

 

養蚕農家も年々減少し、高齢化が進んでいく中で、日本の絹業界は危機に瀕しているといえます。

 

ただ、サステナブルを提唱する昨今では、蚕が生み出す自然の恵みと、

日本人が受け継いできた高度な製糸技術が見直されています。

 

 

日本の仁徳天皇から続く偉大なる文化と歴史、

富岡製糸場で発展した丁寧な技術でつくられた国産シルクの伝統を知り、

まずは真心こめたお洋服を製作することによって微力ではありますが

日本のシルク(絹)を守ることができればと意気込んでいるところです。

 

次回はシルクの特性についてもお伝えできればと思います。

国産天然素材のお洋服 | CHORTLE

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